“Ceremony” によせて2013/08/25

毎日暑いですね。蝉が鳴いています。
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いつどこでも誰かが生まれ、誰かが死んでいく。もちろん自分もいつかは死ぬ。

ある日から
僕は、ステージに立つたびに、曲や、アルバムを作るたびに、大切な人に会うたびに
「これが最期かもしれない」
と思うようになりました。

そういうことを意識すると、人によっては病的な気分に陥るかもしれませんが、僕はむしろ逆で「これが最期かもしれない」と思うと、目の前にある出来事に対して、惜しみない気持ちで向き合おうと思えるんです。それからは無闇に傷ついたり、闇雲に悲しんだりしなくなりました。傷つく事も、悲しむ事も、大事な事だからです。

さて、以前twitterにこんなことを書きました。
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我々の作品は
「THE NOVEMBERS/picnic」
「paraphilia/Misstopia」
「To (melt into)/(Two) into holy」
「GIFT/Fourth wall」
という具合に分けることが出来る。時期やテーマ性などによって。
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自分で言うのもおかしな話なのですが、僕は昔の自分とは随分と変わりました。それはそのまま作品に反映されているように思えます。
変えた事もあるし、変えなかった事もあります。
変わってしまった事もあるし、変えられなかった事もあります。
それが人にどのように思われるかはさておき、僕は常に今の自分を気に入っています。今の自分を正解とし、人と関わっています。
では、過去の自分に対してはどうか。様々な想いがありますが、残した作品に関して言えば、僕はそのどれもをとても大事に想っているし、かけがえのないものだと思っています。(その当時の自分と目が合っても後ろめたい気持ちなどなく、むしろ格の違いでビビらせてやるつもりです。)
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「自分が死んだらもう、あの曲たちは誰にも歌われなくなるし、聴かれなくなる」ということをふと考えるようになりました。
そうなってくると「これが最期かもしれない」と思う度に、後悔がつきまとうような、なんだか釈然としない気分になるのです。
僕は反省はするけれど、後悔はしないようにしています。(以前も書いたけれど)反省は過去を視界の隅に入れておく事。後悔は過去を直視し続ける事だと思います。

後悔はしたくないと思いました。生きているうちにやりたいことをやりたいようにやります。だって自分の事だからね。
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10月から11月にかけて
“Ceremony”
という公演を行います(舐太命名)。詳細は先日発表した通りです。
Ceremony – THE NOVEMBERS performing THE NOVEMBERS/picnic –
Ceremony – THE NOVEMBERS performing paraphilia/Misstopia –
Ceremony – THE NOVEMBERS performing (Two) into holy/To (melt into) –
はそれぞれの作品のテーマ性を活かした公演です。

Ceremony – THE NOVEMBERS performing what you want –
は、あなたの投票でセットリストを決め、それを再現する公演です。(詳細)
すでに沢山のリクエストを頂き、さっそくメンバーとそれを見ています。様々な発見や驚きがあり、とても嬉しいです。選ばれた曲も、きっと喜んでる。もしあなたが面倒でなかったら、感想等も交えつつ、好きな曲を教えてください。
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“Ceremony”は儀式、式典という意味があります。THE NOVEMBERSが未来へ向かう為の式典です。(僕が敬愛するJoy DivisionとNew Orderの曲名でもあります。)

それに対してあなたがあなた自身の為だけにその日を楽しんでくれたら嬉しいです。
ただ、会場のキャパシティ、公演数の関係もあり、沢山の人に楽しんでもらえない事が、今回本当に心苦しいです。

日本でも世界でも、まだまだなんだ、僕たちの社会的評価は。だから、あなたがこうして(例えば、いまはブログを読んでくれてますよね?)関わってくれる事が本当に嬉しい。ただ、評価には過大も過小もないと思っています。いま目の前に起こっている全てが、正しい評価そのものなんです(本質的な良し悪しや、特徴の描写と同義とは思いませんが)。
ただ、僕たちはこのままじゃ終わらないね。予めの好評価に迎合せず、自分達のやり方で成功を手にするんだ。

僕たちは喧噪を引き裂くように大きな声も出すし、耳をそばだててほしいときは囁いたりもする。
僕たちは僕たちで、できるだけ沢山の人に届けようと努力するし、でしゃばりにいこうとも思う。
そんな中で、仮に僕たちがあなたに何かいい影響を与える事が出来たとして、それをあなたの良心が認めてくれた時は、どうか僕たちの存在を誰かに知らせてほしい。
「あなた」が「あなたなりの良心」で「THE NOVEMBERSを知らせたい誰か」を見つけたときは、その人に僕たちの事を知らせてほしい。
僕たちは僕たちの居場所で、あなたと、その人の事を待っているし、会いにいきたい。大切なものや場所が増えていくことが、未来を明るくすると信じているんだ。
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「現在のTHE NOVEMBERS」は言わずもがなですが、いつか、より多くの人に”Ceremony”に立ち会ってもらえるよう頑張ります。
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今日も生きた。

小林祐介