それより前にあるものは2009/06/12

6月8日 京都磔磔にてライブ。老舗のライブハウスのようで、とてもよい空間だった。数々の先人たちが演じてきたステージ、そこで濁りの無い気持ちを持ち続けることが出来た。なんだかステージから力をもらったような気がした。

6月9日 金沢VanvanV4にてライブ。約1年ぶりの金沢。京都同様、たくさんの人が待っていてくれたことが嬉しかった。お金を、時間を割いて僕らのステージを観に来てくれる人がいる。本当にありがたい事だ。

6月10日 東京へモドリ。スケジュール帳を使用することを決意。

6月11日 UKPにて打ち合わせ。 
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あくまで社会の中においては音楽(に限ったことではないが)は合理と引き換えにその尊厳を(人々の中での)失っているように思える。
アーティストはそれぞれの美学や誇り、想いを込めて作品をつくる。ジャケット、曲順や、曲間のそのコンマ何秒まで神経を注いだりする。しかし、そうして出来上がった作品は、インターネット上で1曲100円、200円程度で買うことが出来る。どんな形であれ、聴かれないよりはマシではあるが、アーティストとしての尊厳、そしてその作品の「あるべき姿」はどこへ行ったのだろうか。レコード、CDを経て、音楽はいま物質的な実在を、その尊厳と共に失いつつある。
いまの世の中、音楽の聴き方が雑だとよく感じる。それはタダ同然で扱われることもある、ただ消費され、ただ通り過ぎていくこともある。
現代の人々の中での音楽の在り方を否定する気はない。ただ、想像力や手を伸ばす労力を必要としない世の中に漫然と浸りきって、消費することだけにかまけていると、ふぬけになりますよ、と思う。脳みそふやけますよ、と。
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そういう物事がある一方、僕は音楽を通じて、豊かな心や、気付き、仲間やお客さんとの心の交流があること、そしてその尊さを感じています。いま、そういった心ある出来事に目を向けていられることが、僕は何より幸福なのです。

小林祐介