am2:24の手記2010/06/07
さて夏である。今朝僕は床で目覚めた。床で寝た覚えは無いのだが、寝ぼけてベッドから落ちたのではないはずだ。その証拠に僕はキチンと枕に頭を落ち着け、毛布を被っていた、床デ。たまたまその記憶がないだけデ。
毎年この現象が起きると夏だなと思う。
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Björkの「Vespertine」を聴きながら睡魔の襲来を待ちこがれているけれど、逆に気分が高揚してしまいこれを書いている。こういう時は普段退屈だなと感じている音楽でさえ(Björkは大好きです)新たな発見や触発が在ると同時に、☆を喰らったマリオよろしく、タイムリミット付きの全能感に包まれる。こういう時に誰かと言葉を交わしたくなるけれど、この際「誰か」とは正確には「誰かの中の自分」であろう。
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こういった「文章を人に見られることを前提に書く行為」は、躁状態で拡がっていく意識の中で、ひとつの人格としての自分を繋ぎ止めているような気分になる、今夜のような場合には。
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誰でも、見ると落ち着くものや、聴くと不安になる音や、食べると涙が出る鮎の天ぷらのようなものがあると思う。
(以前もどこかで書いたような気がするけれど) 僕はテレビがついていると気持ちが落ち着く。番組の内容などは特に関係ない。一番落ち着くのはノイズ(砂嵐)である。
余談として。そのノイズをテレビに可能な限り近づいて眺めると、海の光の反射のように見えるよ。水平線近くで光が波にあわせてキラキラ光る様子。いかんせん目に悪いだろうからサングラスをお勧めするよ。昔、気持ちよさにかまけて長時間やっていて気分が悪くなったことがある。
昔のテレビと違って最近のテレビではザーという音は出なくなっているようで少し物足りない。
ちなみに、デジタル放送では砂嵐は見れないようなのだ。必要がないとはいえ、これは寂しい。というような人は全国に何人もいることでしょう。砂嵐を見るとアッパーな気分になる人や、欲情する人や、多幸感に包まれる人。砂嵐のためにアナログのテレビを持ち続けるのもいいが、良質な砂嵐(何を持って良質なのかはさておき)を集めたDVDなどが発売にならないだろうか。あ、そういうの昔見たわ、呪いのビデオ。
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他に気分が落ち着く音は、秒針の進む音や心臓の音などがある。
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小林祐介

